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Interview「代表が語る」


起業家インタビュー第7回 佐野圭作氏 [2/2ページ]


飯塚:その時は42歳、ご家族に対しても大きなコミットがあったに違いないと思いますが、よくぞ、、

佐野:其の時の決意は固いものでした。覚悟の一端を御紹介いたしますと。万が一の時はWaterlooの駅で靴磨きをしてでも、自分の選択で生き抜こうと心に誓ったことを今でも覚えています。 男、裸一貫、人生、自分が思うところを突っ走ってみたいという強い衝動が 体を駆け巡ったのですね。家族には精神的にも迷惑をかけたと本当に思います。

飯塚:起業する人の心意気がみえます。でも崖淵までは行ってみて、眼下を見れば目も眩むような谷底が見えたりすると、やはり引き返したくなるのはごく自然なことだとも思います。 以前、聞いたことがありますが、鈍感力なども必要なのかも。。。いえ、佐野さんのことは申し上げていません。単なる独り言です。 時計をまたもや進めさせて頂きます。紆余曲折はあったにしてもビジネスもしっかりと英国で根を下ろされたところでボランティアとして幾つか日本人社会の骨組みをおつくりになりましたね。

佐野:駐在員としてロンドン滞在した経験は一つの経験でしたが、ロンドンで起業した私はロンドンに住む期間の限定のない永住者となりました。そうしますとここには多くの日本人が現地社員として働いている人達のいること、そして私を含む現地日本人のウェルフエアのことが気にかかり始めました。 大勢の日本人がビジネス社会で働いているのですが、皆が集まれる組織というようなものも無かったのですね。 こうした背景から、 英国で住む住人の助け合う互助会的組織を英国日本人会という名前で多くの協力者と共に1996年に立ち上げ、現在はチャリテイ団体の英国日本人会としてメンバーは300名近くとなっています。 戦前にあった日本人同胞会の様に高齢化とか様々な地域問題を積極的に取り組んでゆこうという組織です。
そして今はロンドンに日本人会館を作ろうという決議を今般理事会でいたしましたので、ここを核に相互扶助、文化交流が深くそして広まることを願っています。資金面がどう出来るかが 今後の鍵だと思います。

飯塚:日本人会館を作るというのは壮大な計画ですね。 先般開催されました都道府県県人会ゴルフ大会も佐野さんの肝いりで始まり今回9月8日開催が13回目とお聞きしましたが、参加者も130名近く、すっかりとロンドンの日本人社会に根を下ろしたイベントですね。毎回、楽しませていただいており 有難うございます

佐野:このイベントを皆さんが毎年楽しんで頂いているようで、本当に嬉しく思います。県人会ということで会社、役職、そのような垣根のない、人と人との関係が出来るいい機会だと思います。

飯塚:来る10月5日(日)はJapan Matsuri がトラファルガー広場で開催されますが、この祭りも日本人、英国人が大いに楽しめる場で 今年で5回目ですが、このイベントを始めるきっかけは佐野さんだとお聞きしています。こちらも多くの日本人、英国人参加者があり、そのうちロンドンの風物詩として定着してゆきそうですね。 佐野さんはビジネス外でも多くのことを創出されてこられたましたが さて、次の一手は

佐野:昨年末日本に新たに逆上陸し始めた保険のビジネスを大きく成功させること、そしてその成果をベースに英国で引き続きボランテアーに力も注ぎ、毎日を感謝の気持ちと澄んだ心で歩んで行きたいと願っています。

飯塚:本日は大変興味深い話をお聞かせいただき有難うございました。このインタビュー記事を日本の若者に読んでいただきたい!と思います。



インタビュアー:飯塚
撮影日:2013年9月18日


インタビュー後記

長いビジネス経験、ロンドンで定着した数々のイベントの創設者の佐野さんのインタビューは期せずして長くなりましたが、この位のスペースを頂かないと佐野さんの輪郭をお伝えできないと思いました。 人生を思いきり生きることの哲学を語っていただき、私から使う言葉としては適当かどうか、はなはだ不安ですが、“器”という文字が自然と頭に浮かぶインタビューでした。

この度、英国で日本人社会の為にボランテアー活動をされてきた佐野さんに日本政府から今までの貢献に対して外務大臣賞が授与されました。 おめでとうございます。