起業家インタビュー第3回 荒 幾則氏 [2/3ページ]
浜:日本人の建築関係の方ってこの国に結構大勢居られるんですか?
荒:いますよ。ここで勉強した方がそのまま設計事務所に勤められたりとかしてますが。でも独立してやってられる方は少ないですね。
浜:荒さんが来られた頃はまだ少なかったでしょう建築関係の方は
荒:86年に来たあと6、7年は全く日本人とはコンタクトしてなかったですから殆ど知らないですね。私はイギリスの大手の設計事務所に入っちゃったんで。女房はノッティンガムですから。私は自分のポートフォリオを持ってきてまずはアドバイスを貰おうと、ノッティンガムの有名な設計事務所に行ったんです。そこで仕事を貰おうと思ったわけではなくて。で色々自分の設計の仕事の説明なんかをしていたら、また明日来いって言われたんです。良く英語もしゃべれないのに何で明日なんだと思って帰ったらそのまま面接ですぐそのまま来いと、採用だと。
浜:へえ、その時にはもうすでに建築の基礎は持っておられたんですね。
荒:いや、基礎どころか私は日本では著名なインテリアデザイナーだったんで。
浜:あっ、実績を持って行かれた訳ですね。
荒:これが78年頃の仕事で・・・こんなデザインの・・・(当時の雑誌を提示)イギリスへ来る前に日本ではかなり名前の売れたデザイン事務所に居て・・・
浜:そうですかそれは失礼しました。それだからこちらの建築事務所としてもそれだけのキャリアがある方だからすぐ来てくれという話になったんですね。で、ご自分のデザインスタジオもやっておられたんですね。
荒:そうです、ここでは私は建築の教育は全く受けていません。日本で教育を受けて、有名なインテリアデザイン事務所に勤めて、それから独立して5年ほどやってそれからこっちへ来たんです。だからさっきポートフォリオをといったのは日本の実績を持って行ったんです。
浜:そういうことですか。
荒:教育は受けませんでしたが、教育をしたことはありますよ。ノッティンガム大学でゲストスピーカーでデザインをちょっと教えたことはあります。
浜:それで、奥様を選んだのは何故ですか?
荒:そう、とても日本的だったんですね。
浜:日本人女性がこちらの方と結婚するのは多いですね。ところが日本人男性がこちらの方と結婚するケースは少ない。その少ないケースで選ばれるパートナーは日本的な方が多い、と思いますがそうではないですか?
荒:私はこっちで選んだんではなく日本で会ってます。女房が日本の事を良く分かっているというのはありますね。日本の事、マナーが分かっていないと結婚してかなり大変だと思います。そういう意味では女房は分かっているから・・・。
浜:ちょっと話がずれてしまいますが、いわゆる夫唱婦随「飯、風呂、寝る」程じゃないけど、そんなスタイルですか、それではなく一緒に何でもやる・・。
荒:一緒に何でもやるタイプですね。特にこれはイギリス式だからとか、これは日本式だからとか決めないで自分たち流で、そうでないといけない、イギリスの旦那はこうするというのは言わせないけど。
浜:折衷案ですか?
荒:その辺がウチは非常に良い。
浜:今でもアツアツですか。
荒:(笑)アツアツではないけど。